高圧一括受電の割引

高圧一括受電サービス導入の疑問点をぶつけてみた


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高圧一括受電導入に関する疑問点をぶつけてみた

高圧一括受電で80%の割引!

しかし、本当にお得なのでしょうか?疑問点を業者にぶつけてみました。違約金は?滞納者がいた場合は?スマートメーターの設置は?アンペアブレーカーの交換は?満了後の割引率は?請求書には保守定期点検費用や請求業務などの費用は書いてあるの?電力会社に戻す場合の設置費用は?災害時は?

賃貸の場合、不動産的価値は下がらないの?

高圧一括受電の疑問点を業者に聞いてみた

契約期間中の中途解約の違約金は?

高圧一括受電導入に設置した設備の残存簿価+設備の撤去廃棄費用廃棄費用、業者によっては1年分の業務委託料金も発生します。

残存薄価は年々減っていきますが、契約期間10年の場合、8年程で減価償却できるようです。

※「年間40万円、300万円云々・・・まぁ8年くらいですね。」とおっしゃっていたような、その辺りはあやふやです。

請求書はどのように記載されているのか?

業者への保守定期点検費用や請求業務などの費用の記載はない。(シークレットの部分でしょうか)

請求書に記載されているのは、電力会社の場合の料金を算出し、それから割引額と請求額が記載されます。

請求金額 11111
割引前料金    基本料金  
電力量料金  
燃料費調整額  
小計  
割引料金  電力割引額(50%)  
口座振替割引額  
その他 再エネ賦課金  

請求書の例

契約期間満了後の電力割引額の変更はあるのか?

契約期間満了後は1~3年毎の自動更新になります。(業者により自動更新の年数は異なる)その後の割引は継続されるのでしょうか?

例えば50%の割引であれば、自動更新で50%の割引率は継続されます。見直されて割引率が60%と引き上げられる可能性もあるとのこと。

割引率が引き下げられることはないそうです。(業者談)

契約満了後に電力会社との契約に戻す場合の費用は?

設備の撤去費用は一括受電サービス業者が電力会社は安定した電力を提供することが約束されているので、電力会社に戻す場合の設備費用はかからないとのことです。(業者談)

しかしこのような文献もあります。

高圧一括受電会社が倒産した場合
変圧器等の設備の差し押さえの可能性有り。電力会社と再度契約する場合は設備工事費が必要となる可能性有り。

もし何等かの災害で、電力の供給を止める必要があった場合は?

前例はないが違約金等は発生しない。取れない。(業者談)

住居者が電気代を滞納した場合の対処法

水道料金のマンション一括検針の場合、マンションの住人の滞納があった時には、管理組合が水道料金を立替える形になり、管理会社が請求しているはずですが、一括受電の場合はどうなるの?

滞納の場合は、業者が滞納のある専有部分に対し送電停止とし、業者が対応するとのこと。(業者談)

高圧一括受電

電気事業法が改正により、分譲マンションの専有部分について、マンションの管理組合が電力会社と高圧電力の契約を行えるようになりました。

マンションの管理組合が電力会社と高圧電力の契約を行うことを高圧一括受電と言います。

高圧電力料金の単価は低圧電力料金の単価より安いことから、マンション全体の電気料金を引き下げることができます。

マンション高圧一括受電の条件

  • マンション全体の契約電力が50kWを超えていること。
  • 電気室があること。

家庭用電気料金の単価と高圧電力の単価の比較

家庭用電気料金の単価 19円52銭~30円02銭/kWh
高圧電力の単価 16円08銭~17円22銭/1kWh

※東京電力エナジーパートナーで比較。家庭用電気料金はスタンダートプランの単価で、高圧電力は契約電力500kW未満の単価です。

高圧一括受電をした場合、管理部分の変更点

管理部分の変更

設備 管理 高圧一一括受電導入後の所有・管理
変電設備 電力会社 管理組合所有
電気メーター 電力会社 管理組合所有
アンペアブレイカー 電力会社 管理組合所有
  • 電力メーターは計量法により10年で交換しなければならない。
  • 受変電設備の法定耐用年数15年である。

高圧一括受電により電力会社が行わなくなること

低圧電力の場合、電力メーターとアンペアブレーカーは電力会社の所有です。開閉器盤まで、電力会社の保全管理部分となります。しかし、高圧受電となると、電力会社の保全管理部分は柱上変電圧の開閉器設置部分までです。

高圧一括受電

  低圧電力 高圧電力
定期調査 4年に1回各戸の定期調査を行う※ 行わない
緊急対応 全戸に対応 行わない
検針・集金 全戸 1ヵ所のみ
保全管理・点検 変電所から開閉器盤まで保安管理する 配電系統のみ

※低圧電力の場合、電力会社は定期調査で漏洩電流測定・分岐版の絶縁抵抗測定を行い、各戸に報告する。

本来、電力の受電、変電、配電の管理は電力会社が行います。高圧一括受電することにより、受電、変電、配電の業務を電力会社の管理下から離れ、マンションの管理組合が行うことになります。

何故、低圧電力は高いの?

低圧電力はすべての人に安定した電力を送るために、単価も高くなっています。

  1. 各戸の保全・管理・点検の範囲が広い
  2. 各戸への検針・電気料金の算出・請求を行う
  3. 日本中、様々な地域に電力を送電しなければならない

高圧一括受電となり、マンション内での電気のやり取りは電気事業法上の規制の対象外になりますが、電気の使用者の保護のために、指針がまとめられています。(経済産業省)

マンションの居住者の契約はどうなるの?

専有部分・各戸は電力会社との個別の契約は終了し、電力会社と管理組合との契約になります。専有部分・各戸は管理組合と契約することで、電力が供給されます。

一括受電のマンションの居住者は、個別に電力会社と契約することはできません。電力・ガスの自由化で各種割引サービスありますが、それらの契約はできなくなります。

管理組合が専有部分・各戸と契約し保全・管理することは、現実的に難しいと思われます。そこで、管理組合の代わりに一括受電に関わる様々な仕事を引受ける業者が一括送電サービス業者です。

一括受電サービス

マンション管理組合は電力会社と高圧電力の契約を行い、各専有部分の居住者と低圧契約をします。

マンション管理組合は、マンション各戸の電気メーターで検針を行い、各戸の電気料金を算出し、請求しなければなりません。

それら、電力会社が行っていた検針・電気料金の算出・請求、電気設備の維持管理を行うサービスが一括受電サービスです。

高圧一括受電

一括受電サービス業者の役割

  • 高圧一括受電の導入
  • 切替工事
  • 高圧受電設備の年次保安点検
  • 各戸の検針・電気料金の算出・請求

一括受電サービス業者の設備と管理部分

マンションの管理組合の管理部分と業者の管理部分はどこで分けられるのでしょうか。地域の電力会社の方に聞いた話によると、細かいことは契約の時に決めるとのこと。

前例が少ない一括受電ですから、その辺りはきちんと決めていたいと思いました。

設備 所有者
開閉口 業者所有
変電器 業者所有
電気メーター 業者設備
アンペアブレイカー 業者設備

変電器

高圧配電線で送られてきた高圧の電気を低圧(100V・200V)の電気に降圧します。

開閉口

電力会社の高圧配電線を業者のものに変える部分

高圧一括受電で割引率80%も!

割引率については、そのマンションの状態により、共用部で20~50%と大きく開きがあります。

割引率の算出について

業者の方と話していて感じたことですが、この割引率は、電力会社の設備を一括受電サービス業者へ譲渡される額で左右されるのではないでしょうか。

もちろん、高圧電力と低圧電力との差額やスマートメーター、開閉器など設備投資にかかる費用の差もあると思います。業者によってはスマートメーターを設置しない場合もあります。

毎月100万円支払っていたとすると、それが20万円になるのですから割引率は大きいですが、本当にお得なのでしょうか?

高圧一括受電の割引

高圧一括受電 導入時の費用

高圧受電に必要な設備工事は一括受電サービス業者が手配して行います。導入時の設備投資と諸経費は、導入後の低圧電気と高圧電気の差額により支払われる形になります。

この設備投資や諸経費については、請求書には記載されません。請求書に記載されるのは、低圧電力だった場合の料金と割引額と請求額です。(下記「請求書」参照)

途中解約した場合はこの設備投資の薄価相当額を支払います。

高圧一括受電の割引プラン

3つの割引削減プランがあります。

  • 共用部削減プラン
  • 共用部+専有部削減プラン
  • 専有部削減プラン

共用部削減プランは20~40%の削減が見込まれます。

契約期間

契約期間10年の場合が多いようです。その後、1年~3年(業者により異なる)の自動更新となります。

高圧一括受電に適さないマンション

  • オール電化のマンション
  • 電気温水器やエコキュート等、夜間蓄熱式機器を設置しているマンション

上記のマンションはすでに電気料金が安いので、高圧一括受電に変更しても電気料金の大幅な削減にはなりません。またオール電化のマンションは、専任の電気主任技術者が必要となります。

高圧一括受電導入の検討から申込みまで

1.高圧一括受電サービス業者より管理組合へ提案

  • 業者より理事会へ説明・情報提示がある

原則2社以上のコンペティションを行業者を比較検討することが望ましいです。

2.マンション住所者へアンケートと説明会

住居者への説明会を数回行います。

3.管理組合・総会での決議(3/4の賛成が必要)

高圧一括受電にするか否かは、総会での決議で3/4の賛成で承認されます。

総会に出席できない人は、賛否のアンケートを提出。無回答の人数を除いた数を全体数とし、全体の3/4の賛成が必要です。

4.ひとりでも導入に反対する方がいると導入できない

総会で承認されたら、その後入居者全員の申込書が必要です。ひとりでも導入に反対する方がいる場合導入できません。

  • 全戸の電気会社との解約手続き(電気需給変更申込書)
  • 全戸の 一括受電サービス業者への申込書(電気需給変更申込書)
  • 全戸の支払方法申込書

この3つの手続きが必要です。

5.高圧一括導入反対者への対応

理事会で3/4の承認を得ても、全戸の申込書を提出しなければ導入できません。この場合、一括受電サービス業者が説得するか管理組合が中心となり説得するしかありません。

高圧一括受電導入に反対する理由

私はこのサービスについて賛成でも反対でもありません。割引率が大きいですから魅力ありますね。

反対の立場から見ると、次の点が問題であるかなと思っています。分譲マンションの所有者は、賃貸経営されている方もいます。

  1. 電力会社を選べないことによる賃貸経営への影響
  2. 電力の自由化で様々なサービスが提供されているが、電力会社を選べない
  3. 電力会社の付加サービス(見守りサービスなど)を受けられない

1.賃貸のマンションを選ぶ時、電力会社を自由に選べないとすると、どうでしょうか?各戸の電気料金がお得ならば、まだ納得できるかも知れません。もし共用部のみの割引となると、借りる方には何のお得もありません。

2.電力・ガスの自由化で、電気とガスのセット割引やガソリンが安くなるプラン・携帯3社の電力プランなどがあります。そのような新しい割引サービスを選ぶことができません。

3.電力会社には見守りサービスなど便利な付加サービスがあります。そのようなサービスを一切受けることができません。

高圧一括受電の切替工事

入居者全員の申込書が提出されると一括受電サービス業者は切替工事の手配をします。

高圧一括受電の切替工事での注意点

  • 数時間の停電が発生する
  • 居住者の宅内での作業がある(アンペアブレーカーの点検)

高圧一括受電の保守点検

高圧一括受電により、設備は自家用電気設備となります。自家用電気設備は、電気事業法により次のことが定められています。

  • 電気主任技術者がいること
  • 保安規定を作成し経済産業省に届け出る
  • 毎年または3年毎に停電点検をする

これにより、毎年停電を伴う点検を行います。

注意 携帯電話事業者の通信設備や警報装置を設置している場合は停電の連絡が必要。

東京電力エナジーパートナーの場合は以下です。

専有部に料金の滞納があった場合、送電停止後もお支払いがなく回収できないことが確定した場合には、管理組合さまのご負担となります。

滞納があった場合の対処は業者により違いがあったり明確に記載がなかったりするので、契約前の確認が必要なようです。

アンペア変更時の工事費は?

無料で行うとのこと。回数も無制限。

スマートメーターの設置はどうなるの?

現在、電力会社は全戸のスマートメーターへの変更を急いでいます。しかし電気メーターの所有は電力会社から、一括受電サービス業者に変わります。スマートメーターに変更してくれるのでしょうか?

事業者によっては、基本的にスマートメーターを採用せず、コスト負担の少ない誘導形電力量計を標準仕様にしている場合もある

スマートメーターについては業者によって違うようです。契約前に確認しておく必要があるようです。

一括受電サービス業者

中央電力はマンション一括受電サービスの国内トップシェア業者です。

中央電力 関西電力10%出資
ファミリーネット・ジャパン 東京電力100%出資
かんでんEハウス 関西電力100%出資
BBIQ電力 九州電力100%出資
トーエネック 中部電力52.12%出資
オリックス電力 オリックス85%出資
NTTファシリティーズ 日本電信電話100%出資
アイビーパワーシステム ジュピターテレコム100%
長谷工アネシス 長谷工コーポレーション
あなぶきパワー&リース 穴吹興産100%出資
大和エネルギー 大和ハウス工業100%出資
東急コミュニティ― 東急不動産HD100%出資

※上記は一部です。

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